2010年6月 のアーカイブ

北総鉄道への公的資金投入こそ住民訴訟の対象になるのでは?

2010年6月1日 火曜日

当サイトの「ちばにう塾」コーナーでは、まちづくりのいろいろなテーマについての投稿・寄稿をいただき、掲載する企画をもっており、近く白井の星野雄史さんが「4.6%値下げ合意をめぐって」と題する論考を寄せていただく予定です。この中でもふれられていることですが、白井市議会が県が主導する「4.6%値下げ」のための補助金支出予算を否決したことについて、京成から損害賠償請求が起こされるのではないかといった風評を流す向きがあるようですが、こういう風評で分からないのは、京成が誰をどういう理由、根拠で訴えるのかということです。

これらの風評を流す向きは、県と6市の合意が実現することを前提として、京成なり北総がパスモの変更など設備投資を行ったが、白井市議会の否決でこの合意が実行されなくなった場合には、莫大な損害が発声するというものです。たしかに、昨年11月30日に県と6市、京成、北総の代表者間で合意書が取り交わされた後、新運賃のための設備投資を実施していたら、その後白井市議会でこの合意の成立が危うくなったとしたら、損害が発声するかもしれません。しかし、県を含む自治体の首長が約束したこと、特に予算を伴うものは、議会の承認があって初めて発効することは、世間の常識というものであり、少なくとも県や沿線自治体と合意書を取り交わすほどの民間企業であれば、そんなことは先刻承知のはず、早まって設備投資をして損害が出たとしても、誰に向かって損害賠償ができるというのか。

私のように法律に疎い者でも、現在裁判準備を進めている関係から、いろいろな事象を法律面から見る機会が多くなっており、先日も上記の件を現在相談している弁護士にお聞きしたところ、上記のケースで県や沿線自治体が交わした「合意」なるものは、最初から各自治体の議会の承認を要することが前提であり、したがってこの「合意書」は、民間企業(京成、北総)との契約というより、一種の「政治公約」的な意味合いにすぎない(合意書に調印した首長は実現に努力はするが、実現できない場合もありうる)とのご意見でした。

白井市議会の「否決」に対する民間企業からの損害賠償が成立するかどうかの議論はこれくらいにして、表題に戻る。

事態を少し立ち入って観察すると、むしろ北総鉄道に公金投入することで「合意」し、予算措置までとった県および6市の執行部こそ、住民からみると、「公金の不正支出」の疑いがかけられるおそれがあるのではないかと思われます。

①北総鉄道は過去10年近くにわたって、黒字決算を続けている。

②運賃値下げによる減収をカバーするために県と6市が公金(税金)で補助するというのが「合意」の基本的な考え方だったが、県と6市が出すのは3億円にすぎない。一方、2月19日に認可された京成(成田新高速)の運賃をみると、京成の一般特急への乗換えによる北総の減収分は約15億円程度と見込まれている。

成田新高速が走ると、北総は減収になる、それも売上高の1割もの運賃収入が吹っ飛んでしまうという想定になっているのです。どこの世界に、自社の線路を他の鉄道会社にタダで貸し、しかも自社の売上減になることを甘受する鉄道会社があるでしょうか。北総は、自社の線路の上を親会社(京成)が走ることによる減収、損害には何の文句を言わず、喜々として受け入れる一方、県や沿線地域が働きかけてきた運賃値下げには頑として首をタテに振らず、値下げによるわずかな減収さえをも、公的資金で穴埋めさせようとしているのです。

実態を知れば知るほど、県や6市が昨年11月30日の「合意」に基づいて実施しようとしていることは、限りなく「公金の不正支出」の疑いが濃いといえるのではないでしょうか。