印西・印旛・本埜 合併協議
県の推進構想で正式位置づけ
 月刊 千葉ニュータウン2009.2.14

 1月27日、千葉県の市町村合併推進構想に定める構想対象市町村に「印西市、印旛村、本埜村」の組合せが追加された。

 1市2村の法定合併協議会は、2月中旬に第1回会議を開き、以降1ヶ月に2回程度の会議を開いて、平成22年3月末の合併特例法の期限内合併をめざして協議を進めていく。

 今回の合併協議は、昨年10月24日に1市2村の首長、議会代表者で構成する「印西市・印旛村・本埜村合併問題懇談会」が設置され、その後4会の会議を経て、昨年12月18日合併協議会(法定)の設置が合意された。

 1月9日、印西市、印旛村、本埜村の各議会において、1市2村の合併協議会の設置に関する議案が承認され、13日に1市2村の首長が千葉県市町村合併推進構想対象市町村に、1市2村の組み合わせを追加するよう要請が行われたのを受けて、県の推進構想での位置づけが行われたもの。

 県の推進構想によると、1市2村の合計人口は8万1102人(平成17年国調)、面積は123・80ku。しかし、現在各市村とも人口が増加しており、昨年12月1日現在の常住人口は、印西市6万2317人、印旛村1万3545人、本埜村9102人の計8万4964人となっている。

 県の推進構想対象市町村の組み合わせとして位置づけられたことにより、国、県の合併支援プランの適用により、支援が受けられることになる。

 主な国の支援としては、@合併市町村のまちづくりのための事業等に対する財政措置(合併推進債)、A合併準備経費・合併以降経費に対する財政措置(特別交付税)がある。
主な県の支援としては、@合併協議会の運営経費に対する財政支援(市町村合併支援補助金)、A合併準備、新市のまちづくりへの財政支援(ふさのくに合併支援交付金、市町村振興資金の無利子貸付)がある。
 
     
  法定合併協議会を記念して。
左から佐藤榮一印旛村長、山ア山洋印西市長、小川利彦本埜村長。 
 

無信不立(信なくば立たず)

行政懇談会に現れた本埜村の民意

 本埜村で開かれていた「行政懇談会」が一段落した。村内の小集落ごとに集会を開催し、印西市・印旛村との合併問題について、小川利彦村長が住民に説明し、住民の意見を聞くために、昨年11月から今年1月にかけて、17回ほど開いてきた。

 「懇談会」の会議録に目を通すと、出席したほとんどの住民は「合併やるべし」の立場で、合併に否定的な意見はほとんど聞かれなかったことがわかる。

 会議の冒頭、村長が「財政面では合併の必要はない」「合併しなければ解決できない行政事務上の大きな問題はない」「滝野では、合併によって都市計画税がかかるので増税になる」「合併によって100年続いた村が消滅する」等々の持論≠ひとしきりブッた後での意見交換であるにもかかわらず、村長の主張に耳を貸す人はほとんどおらず、中には村長に対して不信感を露わにする村民が多くいたことが、会議録から伝わってくる。

「合併の是非」以前に村長不信が問題

 五十嵐勇前村長時代の平成16年秋に行われた村民アンケート調査では、「合併支持」が約70%を占めていたが、このたび開かれた一連の行政懇談会では出席した村民のほとんど、限りなく100%に近い村民が合併を支持しているようにさえみえる。

 村民アンケート調査の後、18年春小川利彦氏が村長になり、以来合併に向けてさしたる取り組みをしてこなかったように見えるにもかかわらず、そして今回村長自ら合併に水をかけるかの如き言動を繰り返しているにもかかわらず、「合併支持」の声がかくも大勢を占めるに至った原因は、非常にはっきりしているように思える。

 それは、合併について村民に語りかけ、村民の声を聞くと称する小川村長の姿勢そのものが、村民から不信の目で見られ、激しい反感をもって迎えられているということである。

 『3年前には村長に当選するために合併推進≠公約し、このたびは村長の席に座り続けたい一心で、合併の流れにブレーキをかけまくる』――、行政懇談会に出席した多くの村民が小川利彦村長を見る目は、自己保身動機で合併問題を弄ぶ首長≠ニいった、どうにも救いがたいイメージになってしまっているのではないか。

出直し村長選で信頼を取り戻せ 

 本埜村にとっても、小川利彦村長にとっても、現在の状況は甚だ不幸な状況と言わざるをえない。

 村民からこれほどの不信感をもたれてしまったら、合併問題に限らず、他のどんな問題でも、小川氏はもはや村政をリードしていくことなどできなくなっているはずだ。

 小川村政はすでに「死に体」であり、小川村長は「裸の王様」になってしまっていることに気づくべきだろう。

 小川氏に残された道はただ一つ。一度村長の職を辞して、出直し村長選をやること、これしかない。

 3年前「合併推進」を最優先公約に掲げて村長に当選したが、その後「合併の必要を感じなくなった」のなら、現在自ら信ずるところを村民に訴え、信を問うのが、首長としての振る舞いの基本であり、スジである。

◇ 合併の必要がないほど財政が好転したこと

◇ 合併しなければ解決しない行政事務上の問題は存在しないこと

◇ 合併は100年続いた村が消滅することを意味する

◇ 滝野地区から都市計画税をとらなくても十分やっていける、等々。

 自らの赫々たる「実績と信念」を村民にアピールし、「合併しない本埜村」を、自信をもって村民に訴えたらいい。

 行政懇では村長の主張に取り合わなかった村民も、村長が己れの政治生命を賭して訴えたら、本気で耳を傾けてくれるだろう。

 小川氏の主張で村民を納得させることができれば、100年続いた村は今後とも安泰であり、好転した財政で村民の福祉を充実させ、さまざまな行政上の問題も村独自の取り組みで解決していける。

 出直し選挙で再選された小川利彦氏は、本埜村の次の100年(Next Century)の礎を築いた偉大なる首長として、子々孫々まで尊敬され、語り継がれるだろう。

 
民意を問うなら命がけで問え

 首長たる者、合併について自らの信念を明らかにすることもなく、「住民の意思を聞いて、それに従う」というのは、無責任きわまりない。

 法定合併協議会というところは、「合併の是非を含めて」議論するところなどではない。

 合併協議を重ねていった後、改めて民意を問うたら、住民の多くが合併に批判的だったので、あっさりと協議から離脱し、首長はそのまま無傷で任期を全うするなどということが許されるのだったら、首長など要らないではないか。

 合併協議に参加する首長はすべからく、参加を決めた時点で合併推進に己れの全存在を賭けてもらわねばならない。不幸にして、合併が成らなかった時には、合併協議に関わった全首長は潔く職を辞すべきだし、逆に現時点で「合併をしない」姿勢を示している首長は、住民の意思が合併推進にあることが明らかになった時には、粛々と身を引けばいい、それだけの話ではないか。

 そうした覚悟をもたず、「住民の声を聞く」だの「民意に従う」などと言うのは、民主主義、住民参加に名を借りた、首長のサボタージュ、任務放棄でしかない。

 合併に関して、首長はものすごい大きな権限をもっているのである。当然、責任についてもそれだけのものを引き受けるべきであり、そこを誤魔化してもらっては困る。