[15]続・まちの自律神経

今すぐほしい コンビニ
 前回(12月14日付)、ニュータウン中央駅北側に立地するビジネスモールの話題を取り上げたところ、ここで勤務する人たち数人から意見を聞くことができた。

 それらの意見は当方の予想を上回って、より切実で深刻な問題を含んだものであった。

 前回取り上げた問題(レストランなどの利便あるいは息抜き施設がない)の関連でいえば、まず、ここで働いている人たちの多くが、
ビジネスモール内にコンビニを、それもできるだけ今すぐ設置してほしいと強く要望していることがわかった。

 次に、あの街にレストランとかカフェがあると、現在のいかにも無機質な雰囲気がだいぶ薄められて、かなり街らしくなると思われるが、ではそういうものができたら、あそこで勤務している人たち自身がどの程度利用するかについては、はっきりした感触は得られなかった。もうすっかり「社食」に慣れてしまっているのかもしれない。

 当面、
適当な移動式ホカ弁屋さんを「誘致」して、ビジネスモールの中心部あたりで毎日昼食時商売をやってもらったら、晴れた日などは楽しい風景が現出するし、レストラン・ニーズなどについてある程度の感触が得られるのではないだろうか。

 一方、本格的なレストランなどとは別に、ハンバーガーや立ちソバなどの
ファーストフード店を「熱烈歓迎」する意見は聞かれた。これは必ずしもビジネスモール内でなく、たとえば駅前などでもいいようだが、朝の出勤途中などに短時間で掻き込める店であり、コンビニを要望する声と共通したニーズといえるかもしれない。

 中央駅構内には、かつて「かるがも」という軽食の店があったが、あれが閉店した後は何もない。コンビニができるという話も何度か耳にしたが、その後も一向に具体化していない。
広々として立派な駅舎は、単に駅の利用者のニーズに無頓着なだけにもみえる。

街灯で大けが

 コンビニやレストランなどの利便性や街のにぎわいといった要素もさることながら、実はこのまちはもっと深刻な問題を内包しているようだ。

 街灯にぶつかって、額を十数針縫う大けがをした人がいるという話を聞いた。雨のそぼ降る夜のことで、この人は傘をさして自転車で歩道を走っていて、街灯に激突したのだという。この事故は、本人の不注意というだけでは済まされない、この街の構造上の問題をはらんでいるように思われる。

 実際に件の街灯を見てきたが、かなり特殊なつくりになっている。光は足元を照らすだけで、少し離れたところには光が届かない。街灯とは名ばかりで、周辺が何とも暗いのである。回りを明るく照らすはずの街灯が、自分自身の存在さえ気づかせないほど暗く、おまけに雨の夜という条件が重なると、徒歩ならともかく、自転車だとよけられないケースは十分考えられる。

 さらに、悪いことにこの街灯、ポールが円柱ではなく、角が鋭角に尖った菱形の断面になっている。円柱なら、ぶつかっても「打撲傷」となるはずだが、ステンレス製の柱の角が鋭くとがっているところに激突するのだから、鋭利な刃物で切られたような怪我を負うことになる。

 加えて、この街灯が設置されている場所がいかにも悪い。歩道の真ん中に、まるで歩行者や自転車を通せんぼするように屹立しているのである。デザイン的にも実用的な街灯というより、気取ったモニュメントふうで、あまりにも己れの存在感を主張しすぎる外観であり、さながら出しゃばり街灯の風情である。

 さらに、三井不動産ビルの脇を通って、駅の方に行こうとすると、この道には街灯がなく、信じられないほど暗い。実際に夜この道を通って駅に急いでいた男性が暴力事件に遭ったという話も伝わっている。

 また、歩道の表面が所々でこぼこになっていて、自転車や車イスでは非常に通行しにくいという不満を口にする人もいた。

外観よりも安全で働きやすい街に

 この一帯は、千葉ニュータウンのなかでも屈指の美しい街並みである。優れた建築設計士が腕によりをかけて設計したであろう高層ビルが建ち並び、美しい曲線を描くメイン道路、ビルの足元にはきれいに刈り揃えられた植え込み・・・・。

 しかし、いくら美しい街並みでも、そこに住んだり働いている人たちに極端な不便さを強いたり、まわりの住民がほとんど足を踏み入れない街というのは、やはり欠陥品ではないか。まして、人々が日常的に危険な目に遭ったり、不安を感じているとすれば、街としては失格の烙印を押さざるをえない。

月刊 千葉ニュータウン(2003年3月8日付)所載